こんなご質問がありました。
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某自動車メーカーのCMで使われている配色が気に入っています。
「全体的に、ペールトーンを基調にする事により、
20代~30代の女性をターゲットとしました。」
クライアントに納得してもらえるように、自分なり説明を考えてみましたが、どうでしょうか?
もっと突っ込んだ説明が必要でしょうか?
また、ライトトーンか迷ったのですが、明確な違いがあるのでしょうか?
※トーンとは色の濃淡が放つイメージのようなものです。
・ペールトーン=「薄い」「女性的」「若々しい」「かわいい」
・ライトトーン=「澄んだ」「さわやかな」「楽しい」
といった印象をもっています。
参考:日本色研 http://www.sikiken.co.jp/pccs/pccs04.html
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今回は、すでにある配色について『自分だったらどう説明するか?』というパターンです。
ターゲットやコンセプトから色を決める、
のではなくて、色から説明する。
こうやって、好きな配色を自分で分析するのはとってもいい学習法ですよね。
では、一緒に考えてみましょう!
ご質問の配色はこんな感じでした。
やさしくて女性をイメージさせる色ですね。
説明する表現として、ペールかライトかで迷ったとのことですが、
実際の色(ここではボディに使う塗料)を見ないと、やっぱり正確には判断しづらいです。
ただ、大切なのは、
相手にとって『分かりやすい=理解しやすい』なんですね。
なので、今回の場合は、正確なトーンを提示するというよりは
・こういう色はこういうイメージを持っていて、
・こういうターゲットが好む色だ
ということを、
トーンの概念を知らない相手に分かりやすく簡単に伝えることがポイントです。
なので、私だったら、まず
・コンセプトは?
・どの客層にアプローチするか?
・同業他社の商品の分析
を自分なりにリサーチします。
それだけでもかなりの情報が得られますし、“感覚”じゃなく“言葉”で相手に伝えるベースができます。
そしてもう一歩踏み込んで、
・販売する時期の流行色
を意識したご提案をします。
今回のように、製品が出来上がるまでに時間がかかるものは、スタートしたときと実際の販売時期とで『求められているもの=流行』が変わってしまうこともあります。
なので、ちょっと先を見すえて考えることが必要不可欠、
なんですよね。
ちなみに、今年の流行色については、JAFCA 一般社団法人日本流行色協会(http://www.jafca.org/)が発表しています。
※実際に決まるのは、なんと2年前!
こういう団体が発表するものや、新聞・雑誌など、色に関する情報を常にキャッチしておくと、とっても役立ちますよ。
いいなーと思った色をストックするのも大切ですが、
・デザイナーはどうしてこの色を選んだのか?
・なぜこの商品にこの色か?
など、“一歩踏み込んで考える”クセをつけると、いいなと思った配色が今度は自分のものになる、と思いますよ!
ぜひ、皆さんも参考にして、ご自分なりに分析してみてくださいね!